リップルのIOUを利用していた、エターナルコインが8月より独自システムで運用を開始するらしいです。こうなると、IOUか独自コイン（現物）かの違いでコインの信頼性を測ることにあまり意味が無いことに気づくはずです。なぜなら、両方とも同じデジタルデータであり暗号だからです。（私はエターナルコインには、一切投資をしていませんが、よく比較されていた円天詐欺とは全く異なるものだと思っています。円天は、年利100%の金利を保証していた事が、最大の問題だと思うからです。）
私は、今後企業がDACと競争して行く上で、自社の価値を見直し、暗号技術に再分配する必要性があると考えています。その際に、資産集約技術であるリップルやステラのIOUを暗号通貨として活用する事例が増えて来るようになると思います。ポイントやマイルなどの企業の資産などをIOUに置き換えるのです。また、発行枚数の上限を決定し、自社のポイント制度に本格的な変動相場を取り入れる事も可能となります。
これには、多くのメリットがあります。まず、ブロックチェーンを中心とした暗号技術をリップルやステラにアウトソーシングする事が可能になり、価値の共有圏を広げるマーケティングに専念する事が可能となる訳です。更に、リップルであれば、KYCの確認作業もアウトソーシング出来ます。また、変動相場制に踏み込むことで、競合となるDACと本格的に戦っていく事も可能となるでしょう。
先日、この業界はマーケティングの重要性に気付くことになると言った記事を書きました。この良い事例が「Getgems（ゲットジェムズ）」と「Reveal（リベール）」の比較です。この両サービスは、同じ広告料還元型SNSサービスですが、根本的にサービスの内容が違うので、一切競合はしていません。しかし、同じ時期にスタートした似たようなプロジェクトですが、私の目から見ると「Reveal」の方があらゆる点でマーケティング力があり、今後、普及速度という点ではっきりと違いが表れて来るのではないかと思っています。
「Reveal」は、多くのプロジェクトがビットコインのブロックチェーン上に作られているCounterparty上の独自通貨を採用する中で、敢えてSNSに相性の良いフェイスブックユーザーのみのステラのIOUを使いサービスを開始しました。アプリ内のサービスには通常のポイントシステム（現物）を利用し、暗号技術はステラのIOUにアウトソーシングをしてます。その分サービスの品質やデザイン、会員獲得といった本来のマーケティングに専念出来ます。一方Counterparty上のトークン（実質IOU）からスタートした「Getgems」は、残念ながらあらゆる面にトラブルが広がっているように見えます。
この一点画期的だと思われる広告料還元型のビジネルモデルですが、実は簡単に模倣されるアイデアレベルのものです。世界中にはSNSが山ほどあります。そのサービスを買収し、暗号技術を導入すれば一気に参入する事が可能です。むしろ、ゼロから立ち上げるより、中小規模のサービスを買収して立ち上げる方がトレンドになる気もします。そのくらい簡単に模倣されるサービスであり、スピード感が非常に重要です。
今後は、特に既存企業がDAC型とのサービスとの競争の中で、独自通貨を発行するのではなく、「Reveal」のようにコスト効率の良いステラやリップルのIOUを暗号通貨として取り入れる事例が増えて来るのではないかと思います。今回は丁度良い機会でしたので「IOUは暗号通貨になりえるのか？」という切り口で、業界に問いを投げかけてみました。
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