従来の企業は、利益の最大化を目指し、ライバル企業との競争環境の中で、ステークホルダーとの利害関係を調節し、戦略の立案と実行をする役割を担っていました。その対価として、企業は利益を得ています。DAC(分権化された自動企業)の最大の強みは、企業では無いので利益を出す必要が無く、そのコスト優位性にあります。

ステークホルダーにその利益(コイン)を分配することにより、彼らのコミュニティーに取り込んで行き、大きな共通の目標である、コインの価値(コインの時価総額)の最大化を目指します。そして、そのコスト優位性を活かし、高収益体制の業界をターゲットに進出して行くでしょう。インターネット広告や、ゲームアプリなどは格好のターゲットとなります。
dac
DAC最大の弱点は意思決定のスピードにあり
しかしこの最大の強みが、逆に私は最大の弱みになると考えます。強みと弱みは表裏一体なのです。彼らは今までの企業が得ていた利益からの分配される価値があまりにも大きい為、この意味に気づいていません。

企業ではなくなったので、DACは競争環境の中でステークホルダーとの利害関係を調節し、マーケットで競争して行く機能を失いました。

分権化されている為、企業の取締役会などにあたる部分が存在せず、外部との競争環境における戦略の立案や実行などの意思決定があまりにも遅いのです。

またコミュニティー内には、投資家や従業員(開発者)、顧客(ユーザー)などのステークホルダーが複数存在していますが、大きな共通の目標であるコインの価値(コインの時価総額)の最大化は共有していますが、必ずしもその時々で彼らの利害が一致している訳ではありません。 分権化主義者は、企業や国が「管理コスト=企業利益、国の税金」として、なぜ対価を得ていたかを全く理解しようとしません。 なぜならば、彼らは管理される事を悪だと考え、その必要性を感じていないからです。「暗号通貨革命」の本来の価値も、この分権化による分配価値の大きさばかりに目がくらみ、勘違いしてるようです。

企業がDACと競争を行っていく上でのヒントは、今後国際送金市場で繰り広げられる「ビットコイン」と「リップル」との戦いにあると思います。
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